スタートアップの基本と法務の重要性

スタートアップといえばベンチャーを連想しがちですが、それはあくまでもイメージの1つに過ぎないといえます。
また、この言葉自体は企業の形態ではなく、ビジネスモデルの開発を意味するものと解釈されます。
つまり新興企業のいち形態と解釈するのは誤りで、正確には単純に企業が新規事業に取り組むことと捉えるのが正解です。

スタートアップの定義について

一般的には、新規事業を始めてから3年くらいをスタートアップといいます。
日本だとベンチャーと混同されたり定義が曖昧だったりしますが、本場アメリカではIT業界を中心に新しいビジネスモデルを生み出すイノベーション企業を指します。
特に、世の中に世界規模でインパクトを与えるような、そういう企業に当てはまる言葉です。
日本では収益アップを目指す企業に使われますが、これはどちらかというとベンチャーの方が近いです。
ベンチャー企業は既存のビジネスモデルを発展させたり、収益性の改善を目的とするからです。
一方、法務は法や法律、法令に関する事務や業務を内包する言葉で、司法や職務とも関係してきます。
こういう職に就く人は企業の契約や取引の仕事を担いますが、規模の大きい企業だと機関や組織法務も重要な仕事です。
例えば前者は契約内容の確認や書類の作成、海外とのやり取りなども含めた取引全般です。
逆に後者は株主総会や取締役会といった、組織の運営に関わる業務内容が多くを占めます。
近年はコンプライアンスの重要性が高まっており、社内規定に関する仕事も増えています。
取引企業とトラブルが生じた場合は、いわゆるクレーム処理や紛争の解決などで出番が増えます。

コンプライアンスの整備とリスクマネジメント

このような仕事はスタートアップでも重要なのは間違いなく、むしろより重要性が高いといえるでしょう。
具体的に重要性が高いのは商品やサービスの安心、安全を定義して実現に向けたり、コンプライアンスの整備とリスクマネジメントなどです。
そもそも、今までにないビジネスモデルを作り上げるわけですから、手探りになる部分も少なくないはずです。
その為、経験豊富な人材が必要不可欠ですし、新しいことに抵抗感がなく積極的に取り組める人が必要になります。
他にも内部統制、コーポレートガバナンスにファイナンスやM&Aなど、やるべき仕事は山ほどあります。
スタートアップ法務の業務を確認して分かるのは、仕事に従事する人の役割の重要性が高く、担当する仕事の範囲が広いということです。
イメージ的には受動的で、何か起こってから仕事が始まる感じですが、実際には前もって想定して動いたり、並行して様々なことに能動的に取り組む方が正確です。
それが新しいモデルのビジネスとなれば非常に忙しく、働き詰めになることも珍しくありませんから、ある程度若くて体力に余裕を持つ人が求められます。
そしてこういった人材は母数が限られていますし、優秀な人材は早期に就職先が決まるので、なかなか魅力的な人材と出会いにくいのも事実です。

安心と安全に関わる業務の法令確認や遵守

安心と安全に関わる業務の法令確認や遵守などは、これがコンプライアンスや企業イメージの向上と信頼に繋がることから重要です。
リスクマネジメントの方はリスク要因の洗い出しやリスクの回避がメインですが、回避できない場合の損失の低減も主な仕事となります。
新規事業に挑戦する企業は、もれなくリスクマネジメントの高いハードルに直面しますし、これを乗り越えないことにはビジネスの成功はないわけです。
スタートアップだと目まぐるしい変化や急成長、突然の変化に遭遇する可能性も十分にあり得るので、なおさら様々なシナリオを想定して対策する必要があります。
どこまでが法務の仕事になるかは、厳密には企業や業種にもよるでしょうが、仕事が増えて業務が多岐にわたり忙しくなるのは確かです。

ビジネスの成功は法務が鍵を握っていると言っても過言ではない

ビジネスの成功は法務が鍵を握っていると言っても過言ではないですから、不備で足元をすくわれないように気をつけたいところです。
ビジネスモデル確立の道筋が見えたり、成功の足掛かりを掴んだタイミングで適法性を疑問視する声があがると目も当てられなくなります。
だからこそ最初が肝心ですし、まずは適法性について徹底的に調べ上げるべきです。
ビジネスモデルの構築途中で適法性に疑問が生じると、最悪1からのやり直しになるでしょう。
それだとスタートは遅れてしまいますし、勢いが削がれて従業員のモチベーションも低下することになり得ます。
早い段階で間違いに気がつけるならまだ良いですが、事業が成長の軌道に乗ってからだと大変です。
取引先には迷惑が掛かりますし、従業員は不安になって離職が発生する恐れも出てきます。
しかも、明らかに違法で社会的制裁を受け入れることになれば、企業イメージの大幅ダウンは免れられないです。
これでは成功できるビジネスも成功しにくくなりますから、改めて念入りな準備が大事だと分かります。

まとめ

開発する商品やサービスが他社の権利を侵害しないか、消費者の権利を奪うことにならないかなど、確認すべき項目は沢山あります。
その上でようやく安心してビジネスに集中できますから、法務の専門的な人材確保やスタートアップに詳しい弁護士との相談をおろそかにしないことが大切です。

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